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zoom RSS 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(2009)半純血って、いったい?すべてが中途半端に…

<<   作成日時 : 2009/07/19 23:04   >>

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  7月14日に待望の劇場公開が始まった『ハリー・ポッター』の第六弾となる最新作『ハリー・ポッターと謎のプリンス』を観てきました。大量のCMを投入して、万全の集客態勢を取っていたはずですが、蓋を開けてみると、まさかの不入りに驚きました。

 まあ、ゆったりと両横の空いている席の左にスーツを、そして右の空席にペット・ボトルとパンフレットを置いて、思い切りリラックスしながら、のんびりと観ることが出来るので、個人的にはかなり気分良く観るチャンスが来ました。

 お菓子パリパリ音を出しそうなKY的なおばはん&おっさん観客もいないようですし、万全の状態で待ち受けていました。映画の上映前という微妙な時間である20分間って、なんだかとてもワクワクする時間でして、映画そのものを観ている時間よりも楽しかったりするときもあります。

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 高校などの期末テストも終わり、もう夏休みに入っている学生もいるでしょうし、スター・ウォーズ・シリーズのような列待ちも覚悟していましたが、開演20分前でのこのような状態に唖然といたしました。盛り上げようと躍起になっても、キャラクターたちの人気の賞味期限はもうとっくに過ぎてしまっているのでしょうか。

 ヤフーのニュースなどを見ていると、ハリー・ポッター劇場版シリーズの出だしとしては史上最高の観客動員数を記録したとのことでしたが、今いる劇場での、この盛り上がりの無さは一体どうしたことだろう。結局、上映が開始されるまでに集まった観客は120人のキャパに対して、たったの10人という非常に寂しいものでした。

 内訳はいかにも招待券をもらったような家族が一組で4人、カップルが2組で4人、あとは映画ファン風の二十代の女の子、そしてぼくの全部で10人です。上映が始まってから、二人ほど若い女の子(たぶん友達同士)も入ってきましたが、それ以上は誰もこのスクリーンには集まりませんでした。

 映画の内容としては魔法チックな暗いムードで進行していくので好感が持てますが、あっちもこっちも盛りのついた動物のように、バカップルがホグワーツで大量発生していました。ロン(ルパート・グリント)は最初から最後まで色ボケ状態で、魔法的なシーンは皆無で、まるでアメリカ学園ドラマに出てくる全身下半身青年と化していました。

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 可愛かったハーマイオニー(エマ・ワトソン)も今は昔で、どんどん魅力がなくなっているように思えました。彼女もまた、嫉妬に燃えるモテない女子扱いで、一応はロンが倒れて、意識不明状態から復活してくるときに「はあ まいおにい〜!」という寝言とともに付き合いはじめますが、見せ場というには寂しい限りでした。

 肝心の主役、ダニエル・ラドクリフも髭が生えてきているおっさんになってしまい、『ハリー・ポッターと賢者の石』のときのような可愛らしさはとっくになくなり、ひょっとした親戚のおにいちゃん風になっています。彼にもラブ・ロマンスがあり、親友ロンの妹であるジニー(ボニー・ライト)と付き合いだしました。う〜〜ん…。みんな身近ですませるなあ…。

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 今回は真実を語る記憶の小瓶が登場し、これを過去へのフラッシュ・バックの小道具として使用しています。最初は上手いこと考えるなあ、と思っていましたが、何度も何度もひつこく繰り返すので、しまいには他にないのかよ!と突っ込みを入れたくなりました。

 今回の目玉としては「あのひと」、つまりヴォルデモート(まだトム・リドルです。)の幼少時代を演じるフランク・ディレイン(青年期)とヒーロー・ファインズ=ティフィン(子どもの時期)を挙げることが出来ます。彼は小さな頃から、人間社会で他の子どもとの圧倒的な違いを見せつけ、マグル(人間のことです!)の家から、ダンブルドア校長によって、ホグワーツになかば強制収用されてきます。

 そこでの様子がまるで『オーメン2 ダミアン』に登場するダミアンに酷似しているのです。七三に髪を分け、冷たそうな眼をしていて、青白い照明が当たる。噴出しそうになりましたが、周りの人たちは全く反応していないようでした。間違いなく製作者側はパロディとして使っているのですが、観る側がそれを受け取れないと全く無意味な演出になってしまうので、出来るだけ多くの映画に接していきたいものです。

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 トム・リドルの幼少期のエピソードを出すのであれば、その頃に受けた心の傷が原因で、恐ろしい大悪魔になってしまったのだというきっかけのエピソードを挿入する必要があったと思うのですが、そういう彼が闇の世界に身を落としていった心の影の部分には全く触れられずに、ただただ彼は昔から悪かったというエピソードのみが示される。これではせっかくの大河ドラマに深みが生まれないのは当然である。

 印象に残っているシーンとしてはロンの家にハリーが現れるとき、地上階から螺旋状になっている二階、三階までの住人が一度に出てきたところを仰角で捉えたカットでした。またもうひとつは分霊箱を探すために訪れた洞窟で、ゾンビのような亡霊たちと格闘するシーン。

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 テレビCMではケイティ(ジョージーナ・レオニダス)が突然悲鳴とともに空に舞い上がっていくシーンやロンが絨毯の上で倒れているシーンが流されていますが、全く本筋には関係ないありません。完全なフェイク映像に過ぎませんので、騙されないようにしたい。

 しかし何故、CMというやつは無関係なシーンを無理やりつなぎ合わせ、いかにも意味深な編集を施すのであろうか。観た者にがっかりとさせるのが目的なのだろうか。そういう姑息なことばかりするから、観た後のガッカリ感を強くしてしまい、悪い評価を付けさせる原因となるのが未だに分かっていないのだろう。

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 今回、タイトルにもなった『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の原題は『Harry Potter and the Half−Blood Prince』となっていて、台詞中では「半純血」という字幕が頻繁に出てきます。これについてはおそらく「Half -Blood」を直訳しただけで、「混血」の王子とはしたくなかったのでしょうが、妙な気遣いはかえって差別助長となるのではないでしょうか。当初は『ハリー・ポッターと混血の王子』だったと思いますが、おそらくは問題が起こる前から事前に最悪を予測した行動に出たのでしょう。

 で、そういう字幕がついてしまった原因となる張本人が実はキャラクターのなかでもずっと謎の多いキャラクターとして登場してきたスネイプ役のアラン・リックマンでした。彼は重要な役回りを演じる気配をずっと持っていましたが、ようやくスポット・ライトが当たってきました。ただ彼についてもタイトルになるほどの重要な役であるにもかかわらず、あまり深くは語られることなく、映画が終わってから、「う〜〜〜ん?なんだあ?」と思い続けているだけでした。

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 エマ・ワトソンの魅力がなくなり、ジニーは別に可愛くない。個人的に一番可愛いなあと思ったのは奇天烈な女の子ルーナを演じているイバンナ・リンチでした。2作品くらい前から出ているのではないかと思いますが、彼女の不思議さはこのシリーズのなかではもっとも飛んでいて、スパイス的な役柄を演じていました。

 あと演者でフューチャーされていたのは前回、父親が捕まってしまったトム・フェルトン(ドラコ・マルフォイ)で、彼はハリーとずっといがみ合うものの良い場面をすべてハリーに持っていかれる役でしたが、今回は悪の枢軸となり、善と悪に揺れ動く悩み多き青年を演じています。

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 J・K・ローリングの書いた原作を一切読んでいないので、ポッタリアンがこれを観たときには納得が出来ない内容だとは思いますが、どうだったのだろうか。長すぎるとも思える無意味なシーンが続くと思いきや、重要かなあと思えるシーンへの深入りは一切ない。これでは長い長い絵巻物の表面上をペラペラと眺めているだけで、物語の深みをほとんど理解できない。

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 小説の映画化という工程を纏め上げるときに必要なのは広さ(世界観)と深み(人間の感情や考え方)であると思いますが、この映画には両方が欠けている。というかハリポタ・シリーズの映画すべてに言える。ポッタリアンたちは本当に映画化されたポッターに満足しているのであろうか。

 最後に特撮についてですが、今回は特に目新しいものもなく、手抜きとは言いませんが、熱意をあまり感じなかったのは自分だけでしょうか。なんだか仕事として製作しているだけで、あまり原作への愛情を感じない映画でした。このままあと2作品をファイナルに向けて、2010年と2011年に製作するようですが、尻切れトンボになりそうな勢いで、一応は6作品すべてを観てきた僕としては少々心配でもあります。

総合評価 68点


「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)
静山社
2008-07-23
J. K. ローリング

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ようやく終わった満足 ...
訳最悪ですハリーが葛 ...
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「ハリー・ポッターと謎のプリンス 」2時間半の前菜が始まった、...
「ハリー・ポッターと謎のプリンス 」★★★☆ ダニエル・ラドクリフ 、ルパート・グリント 、エマ・ワトソン 主演 デヴィッド・イェーツ 監督、2009年、155分、アメリカ ...続きを見る
soramove
2009/07/31 23:25

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
原作第一弾「賢者の石」は当時、東京にいた息子から児童文学だけどなかなかいい本だよって教えてもらって、これは大いに気に入って、映画もまあ上出来の仕上がりで、以降、原作は5巻目の不死鳥の騎士団までよみましたが、ここまで読んだら最後までって気持ちで、魅力は感じられないまま読んでました。せいぜい3作までで終えておくべきだったかと。
映画は「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのあの壮大なる物語を観た後は、観る気は完全に失せてしまい、第一作以降はテレビで観るにとどまっている。
ハリーは大きくなっていくにつれ、新たな試練が待っているんだけれど、どうも物語そのものにハリーの成長が見られないし、ハリーそのものキャラクターが掴めない。それよりも友人のロンの方がはるかに味がある。映画でもロン役の少年ってこれから期待できそう。
シュエット
2009/07/20 06:46
用心棒さん 続き。
なにせタンブルドア校長のリチャード・ハリスがなくなってから観ていないなぁ。
脇役に錚々たる役者をそろえているけれど、原作も段々と魅力なくなっていけば映画のほうも…ではないかしら。
そこへ行くと映画「ロード・オブ・ザ・リング」3部作は今見直してもそれぞれにドキドキする。トールキンの原作の力もあるでしょうね。一人の人間を主人公にしたシリーズはやはり3作が限度なんではないかしら?ってこの映画が公開されるたびに思うことしきり。
「エヴァンゲリオン」はしかし人気みたいですね。我がオタク息子はリピート鑑賞してますわ。
シュエット
2009/07/20 06:47
 こんばんは!
『ハリー・ポッターとアズガバンの囚人』を観たときには良い線行っているなあと思っていましたが、あとはだだすべりですね。まあ、ここまでついてきましたので、最後まで観続けるつもりですが、主役級の魅力の無さはいかんともしがたくなってきています。

 子役から大人の俳優への転換は日本も向こうも難しいのでしょうね。ジェイク・ロイド、マコーレー・カルキンなど数えればきりがないですね。

 『ロード・オブ・ザ・リング』は僕も大好きで、年一回は通して見ますよ。谷間に立て籠もる人々を助けに、ガンダルフが急斜面を突っ込んでくるシーンとか、死人の軍団を指揮して敵をなぎ倒していくシーンとか大掛かりなだけではなく、きちんとキャラクターの個性を描き分けていく手腕に大いに感心しています。
用心棒
2009/07/20 20:08
 つい先日も見ましたが、なんせ三部作ということもあり、これもなかなかきちんとした形で書けないですよ。いつか書いてみたいのですが、神話とか色々勉強してからじゃないと中途半端になりそうです。

>ヱヴァ
 TVシリーズはすべて見ましたし、劇場版も「序」は見ました。今回の新作は未見ですので、何とか観たいですね。独特の世界観はガンダム以来の楽しさを提供してくれていますので、記事にしてみたい気もありますが、ヲタたちの猛反発を喰らう可能性がありますので、まだ書いていません。

 今ではガンダムよりもヱヴァのDVDを見ることのほうが増えている状態になっているここ数年です。性格が悪い人や何を考えているのか分からない人を仲間内では「使徒」と呼んでいます。

 ではまた!



 ではまた!
用心棒
2009/07/20 20:15
用心棒さん、こんばんは。
今日、観てきました。
なにしろ一作目以来ですので、かつ原作も読んだことがないので、ストーリー自体が、ちんぷんかんぷんでございます。こうなったら映像と特撮を楽しもうと割り切って観ておりましたが、最近の映画は確かに迫力は凄いですな。また、確かに魔法の世界も一定程度の味わいは出来るのかと・・・。
我が田舎町のシネコン2館でロードショー、それなりの客入りで、「バック・ツゥー・ザ・フーチャー」以来、最前列の席で観たので首が痛いです。
ああ、何だか場末の映画館でフィルム・ノワールなど観たい気分ですよ。
トム(Tom5k)
2009/07/20 22:22
 こんばんは!
 観て来られたんですね。特撮映画は劇場が一番良いので、堪能されたことと思います。

>一作目以来
かなりきつかったでしょうね(笑)
全部観ていても、あれって、誰だっけ?という状況に陥りますので、かえってストーリー展開に邪魔をされずに、この映画の肝である映像や特撮技術に集中してみていけたのではないかと思います。

>フィルム・ノワール
いいですね。タバコOKの箱で、煙が漂う中で観るのも映画だったはずですが、いまでは絶滅してしまいました。防災上、仕方が無いのは分かるのですが、非常灯がついたまま上映したりとなんだか集中できないことも多いですよ。

 今週は時間があれば、アニメ映画の『ヱヴァンゲリオン 新劇場版 破』を観たいなあと思っています。
用心棒
2009/07/20 23:30
昨日映画館でみてきました。
あまりにも悲しかったので、同じように思っている人はいないかと、パソコンを開きました。
子供達を行ったのですが、当たり前に動き出しました。私でさえもじっとしているのが辛いくらい、つまらなかったのです。これといった見せ場も感じられず、だらだらとクライマックスに行くまでのゆる〜い上り坂を上ったと思ったら、あっという間に終わり・・・。
あまりにも何も感じられず、呆然と席を立って終わりました。感想もなく家族みんなでまるで何事もなかったように帰りました。
みんなで楽しい映画鑑賞と思っていた気持ちを裏切られたようで悔しい気持ちでいっぱいです。
とにかく残念でした。
次はDVDでも借りて家で見ようかと思っています。
小学生の子供達と楽しく、ある程度意味のある映画ってご存知ですか?
はじえめまして
2009/07/28 13:09
 こんばんは!
無理やり詰め込むにしても、内容が薄すぎますね。ペラペラとダイジェストを観ている感じで、画面に引き込まれていくというレベルまではいきませんでした。

>小学生の子供達
 難しいですね。子ども扱いせずに、大人が観て楽しめる映画に連れて行くほうが子どもも楽しめるのではないでしょうか。自分もそうでしたが、子ども扱いされるのは子どもとして一番嫌なことだった記憶があります。
用心棒
2009/07/30 00:57
ここのブログの人は最低!!!!
ハリポタなめんじゃねえよ<`ヘ´>
何が予告でがっかりだあ!?
ざけんじゃねえ
こここっここ
2009/10/06 15:50
国立市にお住まいの方ですか?
用心棒
2009/10/06 23:48

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