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zoom RSS 『つみきのいえ』(2008)アカデミー賞を受賞した、アニメの佳作。

<<   作成日時 : 2009/04/04 20:17   >>

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 とても地味で、味わい深い作品。優しい色調と、分かりやすい内容。奇を衒うことはなく、ただノスタルジーと暖かみを観る者に与える。余計な力が全く入っていないのに、人生において、いったい何が大切なのかをわずか12分で語ってくれるのがこの短編アニメーションなのです。

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 マニアックな人気は絶大ではあるものの、とかく外国における日本のアニメの印象はといえば、手が込んでいる、お金が掛かっている、過激描写が多い、などが出てくるのでしょう。そういったイメージを払拭するきっかけとなってくれそうなのが今回の受賞作品である『つみきのいえ』ではないでしょうか。

 どんどん水没してゆく地球と思える惑星では海が大地を飲み込み、わずかながら残っている家々では、水没しかけると、さらに上へ建て増していく。海底には何十年も前の水没した家々、街並みが静かに軒を連ねている。水没しているので、そこへ行こうと思えばアクアラングを背負ってのスキューバ・ダイビングとなってしまう。

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 過去へは二度と戻れないのが人生です。それを海底という環境で暗喩する。それは時間でしょう。何層も何層も下降して行くたびに、家族の歴史がよみがえっていく。介護していた老いた妻、子どもの連れてきていた孫たち、子どもの結婚、子どもの誕生と成長、自分たちの結婚、恋愛、出会いと次々に彼らの歴史が語られていく。

 しかもこれらはすべて一つの台詞もなく、映像で優しく語られていく。観ている者の胸を打つのは大きく増幅された感動ではなく、日常の何気ない生活にあるのだと気づかせてくれる。こういった作品が映画の本場で評価されたことの意味は非常に大きいのではないでしょうか。

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 また映画芸術にとっても、台詞ではない映像だけで、登場人物のささやかながら、幸福であった人生を簡潔に表現できたのはこれからの映画芸術にとっても意味のあることだったように思えました。

総合評価 80点



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「つみきのいえ」
LA MAISON EN PETITS CUBES 2008年/日本/ANIME 12分監督: 加藤久仁生 脚本: 平田研也 音楽: 近藤研二 ...続きを見る
寄り道カフェ
2009/05/14 15:11

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
この映画どこで鑑賞されたんですか?
教えてください!
最近の私は映画情報などほとんどみなくなったものですから疎くって。
外国語映画賞でオスカーとった「おくりびと」よりもこちらの方が断然いいなって思っている私です。
短編アニメ作品には実写とは違う情感の作品が多く、今までも何本か記事にもあげている。

それと4/27からシネ・ヌーヴォーで今は倒産してしまった配給会社ケイブルホーグの配給作品が一挙上映されます。日程は未定みたいだけれど、「希望/エルテルの山々」も上映リストに入ってます。マニアックな作品がずらりです。一昨日シネヌーヴォーのDMで知りました。サイトではまだ詳細はアップされてません。まずは連絡まで。
シュエット
2009/04/08 14:29
 こんばんは!
 これは僕も劇場で観たのではなく、つい最近になって、レンタルのDVDがツタヤで出ていたので、迷うことなく即借りした一本です。
 収録内容は長澤まさみのナレーション入りヴァージョンとオリジナルの台詞なしヴァージョンの二つですので、30分弱のDVDですので、ぜひともお探しください。
>「希望/エルテルの山々」
観たいですね!しばらくヌーヴォも行ってませんので、チェックしてみます。ありがとうございます。

 ではまた!
 
用心棒
2009/04/09 00:04
シネ・ヌーヴォでも緊急に決まった上映みたいですね。上映作品は24本。東京のシネマヴェーラがケイブルホーグ配給作品の権利元と再交渉し、コミュニティシネマ支援センター配給で上映可能になったそうです。
ケイブルホーグの倒産。ミニシアターの苦しい運営。良い映画が作って観る環境がどんどん苦しくなっている現状も考えて、今回の上映は嬉しい。
下がシネマヴェーラのサイトです。
http://intro.ne.jp/contents/2008/05/10_0003.html
シネヌーヴォーではこのうちの24本が上映されます。まだシネ・ヌーヴォではこの上映の詳細はアップされてませんね。こまめにのぞきにいってみてください。
シネマヴェーラでは特別上映で「狩人の夜」が上映されるんだけどシネヌーヴォーでは上映されないのが残念!いちど観たい!観たい!って電話するつもりです。
フリッツ・ラング、ヘルツォーク作品は数本上映。
とりあえず

シュエット
2009/04/09 10:54
何度もお邪魔して…
先ほどシネヌーヴォーに電話したら、上映スケジュールと作品紹介ファックスしてくれました。会社の前のファックスで待つこと待つこと!
私は会員になっているんでチラシも郵送されるでしょうけどきっと、届くのはギリギリでしょうね。
シュエット
2009/04/09 11:13
 こんばんは!情報をいただきまして、どうもありがとうございます。

 『暗黒街の弾痕』『フィツカラルド』『詩人の血』『狩人の夜』に興味がありますね。

 『狩人の夜』って怖かったという女性の方が多いのですが、よく観ると沼地の動物や蛍のシーンなどがあり、個人的には綺麗な印象が多い映画でした。

 チラシはレトロなメディアですし、上映作品リストを見ても、かなりいいですね。今回はリストに入ってませんが、ぼくはヴェルトフの『カメラを持った男』や『イット・ケイム・フロム・アウタースペース』なんかを観たいです!
用心棒
2009/04/09 19:58
「つみきのいえ」DVD買ってしまいました。
この12分間は値打ちがある。
こんな風にたった12分で人生を感じさせる映像を描きあげるセンス!
私は音楽と映像の世界だけでこれは十分すぎ、観るものが自分と重ね合わせて物語と重ね合わせる、そんな行間がほしくって、ナレーション版では観てません。
用心棒さんのブログで紹介されてなかったら、私、後悔されるのかなどうかな?ってずっと待っていたと思います。ありがとうございました。
シュエット
2009/04/14 13:59
>『狩人の夜』って怖かったという女性の方が多いのですが、よく観ると沼地の動物や蛍のシーンなどがあり、個人的には綺麗な印象が多い映画でした。
映像は好きです。怖いというよりも、それ以上に幻想的で美しい印象が強くって、子ども達がボートで逃げるシーンなども、ハラハラドキドキよりも、違う次元の美しさに魅入られました。
これはシネ・ヌーヴォでは上映されないんですよ。残念。
シュエット
2009/04/14 14:01
 こんばんは!
 購入されたんですね。短いですが、人生の重要なエッセンスが凝縮されていて、2時間ものの映画を観たときと同じくらいに考えさせてくれる作品でした。
 大きな賞を取る価値は十分ありますね。毎年のように黒澤監督や溝口監督がヴェネチアなど欧州で賞を取っていた黄金の50年代のように、国際的に評価される邦画をリアルタイムで劇場で観たいですよね。
>『狩人の夜』
 残念ですね。画面の隅々まで心が配られている映画なので、シネヌーヴォのパイプ椅子(!)で、『イワン雷帝』を観たときのように、マニアックに細部をチェックしたかったですよ!
 ではまた!
用心棒
2009/04/14 21:44
教えていただきながら、TBもしませんで…失礼しました!
本作の色使いなどみていてもかなりの忍耐と労力と時間だっただろうなって思いますね。
華やかな長編大作など見向きもせずに、こうやって短編アニメに拘ってつくり続けている。
そんな姿勢も、作品とともに感動しますね。
シュエット
2009/05/14 14:50
>TBもしませんで
お気になさらずに(笑)
僕もしょっちゅうですし(笑)
用心棒
2009/05/16 20:33

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『つみきのいえ』(2008)アカデミー賞を受賞した、アニメの佳作。 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
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