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zoom RSS 『ノストラダムスの大予言』(1974)<パート1>映画界において、言論の自由は無に等しい。

<<   作成日時 : 2007/12/21 02:16   >>

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 この幻の作品『ノストラダムスの大予言』を僕がTVで見たのは小学生の時で、多分1978年か1979年だったと記憶しています。女の人の暗い声でのナレーション(実は岸田今日子!)があり、「1999年七の月に、空の魔王が降りてくる!」だったかな?なんだか不気味なナレーションを覚えています。怖くて、しばらくは憂鬱な気持ちで過ごしていました。

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 その日にどうやって遊ぶかとか、おやつに何を買おうかとか、掛布は打つかなあとか、TVはなんか面白いのはあったかなとか以外は何も考えていない小学生だった僕がはじめて「命って何だろう?」「死ぬのは怖いなあ…」「予言が当たるんなら、貯金とか将来の夢なんて無意味だなあ…」などと不毛な議論を頭の中でしていました。

 それほど、あのおっちゃんの予言のインパクトは凄まじかったんでしょうね。なんだかんだいって、1999年の7月には将軍様のテポドンが通天閣に飛んで来るんじゃないかとか、2000年問題でコンピューターがおかしくなって、核ミサイル装置が誤作動するんだろうとか、まことしやかに囁かれていました。

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 つまり1970年代に観た一本の映画の内容を20年以上引きずったまま、人生を送った人は結構な人数でいたのではないでしょうか。そのあとに五島勉の本やら、ムーやら、宗教団体教祖のノストラダムス本も読みましたので、個人的にもはまっていたんでしょうね。

 1999年。あの年は携帯ガス・ボンベがアホのように売れていましたねえ。ガスが止まるんじゃないかとか言ってましたね。1月1日以降のその年の冬はやたらと鍋料理が多かったのはどこの家庭も一緒でしょう。『ふるさと』以降、人気低迷していたモー娘。が後藤真希を迎え、やけくそになって歌っていた『LOVEマシーン』がやたらと有線でかかっていたのも懐かしい。

 だいぶ話が逸れました。作品中ではノストラダムスが予言したといわれる内容が(今思うとただの後出しジャンケンにしか思えない!)延々と語られていました。予言によるとナポレオンの台頭も失脚も、ヒトラーの台頭も失脚も、なんでもかんでも「彼は知っていた!ふっ!ふっ!ふっ!」って感じでした。

 映画の公開からは時期が逸れるのですが、ついでに後年のチェルノブイリ事故も「ニガヨモギ」のロシア語はチェルノブイリなんで、「やっぱり、ノストラダムスは正しいんだ!」的な内容が宗教界やカルト雑誌『ムー』で特集されていました。

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 エドガー・ケイシーさんも20世紀中に日本は半分以上が海に沈むみたいなことを言ったそうです。五島勉?とか何とかいう人の本もよく本屋さんで売ってました。この10年全く見ませんね。ノストラダムス・ビジネスも終わったんでしょう。

 今は圧力団体か何かのために、国内では放送も発売もされていないので、海外版のレーザー・ディスクか、劣悪な古いビデオ映像でしか見られないようです。結構有名な作品でも現在見ることの出来ない映像が幾つかあります。

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 有名どころでは『ウルトラセヴン』の第十二話『遊星より愛をこめて』のスペル星人のエピソードは欠番扱いにされたまま、40年近く経ってしまいました。知らない方のために内容を書いていきますと、友達に聞いただけなので、うろ覚えでなんですが、たしか、このスペル星人の星では最終戦争が起こり、住めなくなってしまい、食料もない。

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 彼らにとっての食料は人間の生血で、子供たちを狙って地球に来たという内容だったと思います。エピソード的にはSF的世界観が持ち味のウルトラセヴンらしい作品だったのでしょう。しかし悲劇は突然起こります。子供向け雑誌か何かの記述で、スペル星人の横に「被爆星人」の説明を出版元が円谷プロに無断でつけてしまい、ついにトラブルが発生します。

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 それに対して内容も何も確認せず(昭和42年か43年でビデオなんかない時代にリアルタイムで観た人、しかも「大人」が何人いたというのだろうか!)、反核団体がクレームをつけて、それに事なかれ主義の円谷プロも屈服し、闇に葬られてしまったというのが真相でしょう。

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 その円谷プロも今は会社としては力が無くなってしまいましたので、このままでは永久に何もなかったかのようにスペル星人は抹殺され、大人の原理だけが罷りとってしまうのでしょう。臭いものに蓋というのは大人の世界の常識かもしれませんが、子供たちの財産である『ウルトラセヴン』にまで介入する姿勢は許せない。


それはともかく、1979年?以来一度も観ていない『ノストラダムスの大予言』も映像で覚えているのはさすがに断片的です。

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1.探検隊が二班編成され、第一班は核で汚染した地域のジャングルで原住民に襲われ、たしかヒロインか主役が渡したライターを持っていった友人が殺されている。それを探索に行った主人公等もジャングルで襲われる。この行も今の規制コードには人種差別やら、核問題などで削除されるのでしょうね。

2.暴走族かなんかがコインの裏表で何かを決めたと思ったら、バイクに乗ったままで、刹那的にガード・レールを飛び越えて、集団自殺するシーン。

3.小麦の値段か何かが高騰して、民衆がスーパーやら工場に殺到し、暴走族っぽい兄ちゃん達が倉庫を襲い、みんなに食料をばら撒くシーン。

4.異常に発達した少年が無茶苦茶速く走り、学校の壁でもひょいと飛び越える。

5.ゴーガかナメゴンみたいな巨大な突然変異の生物が現れ、それを警察?か自衛隊みたいな人たちが焼き殺そうとする。

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6・主人公の彼女が子供を妊娠し、丹波哲郎と一緒に海かどこかを眺めている。

7・光化学スモッグの過激版が日本を襲い、その光を浴びたものは発火して死んでしまう。(あれ?これはヘドラかな?)

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8.核戦争がついに始まり、ボタンが押され、核ミサイルが各地に飛んでいく。爆発の凄まじさで山が割け、大洪水が起こる。世界中が破壊されていく様子が映し出される。しばらくすると、核のコントロール・ルームの様子が差し込まれる。軍人のオペレーターが座っているのだが、全員既に死に絶えている。

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9.何年後かの荒れ果てた世界が映し出される。そこに蠢く物体がいる。アップになった画面には醜いミュータントのような生物がなんか変な餌を奪い合うというシーンが映し出されている。たしかここで映画は終わる。このへんもおそらく、反核団体がいちゃもんをつけるポイントになっているかもしれません。

 結局のところ、そういった悲劇を起さないようにするためになされた演出をすべて「差別助長」の一言で片付けて、子供たちに見せないようにするという発想は間違ったものの見方ではなかろうか。情報を開示したうえで、大人達が教育していくのが本筋であるべきでしょう。

 スタッフは舛田利雄監督、川北紘一が特撮、キャストは丹波哲郎、黒沢年男、平田昭彦、志村喬、司葉子らが出ています。つまりお金がかかっている映画だったってことでしょう。

 この映画を分類するとすれば、空想特撮映画のうちの一本という程度にすぎず、ちゃちなものだったのかもしれません。しかし僕等にとっては衝撃を受けた作品であることは間違いないので、「思い出の映画」を奪われてしまった感があります。

 東宝も円谷プロも、言論の自由を守るために圧力団体と闘うべきではなかったのではないだろうか。観たら、案外つまらないものでも、隠されてしまうと無性に観たくなるものなんです。一部マニアが蠢く、法外な商売が罷り通っているのはこの作品の中古レーザー・ディスクが5万円近い値段でヤフオクで表示されているのを見たら明らかでしょう。

 「18禁」でも一向に構わない。ただ発売禁止にするという発想が許せないだけなのです。

「か〜〜えせ〜〜!か〜〜えせ〜〜!」

総合評価 65点

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
TB&コメントありがとうございました。「ノストラダムス」に関しては、私も随分前に記事にした事があります。おバカな内容ですがとりあえずTBさせて頂きますので、またご笑覧下さい。
でもさすがに用心棒さん、すごい記憶力ですね。記事に上げられた場面はほぼ正確なものです。(7の人体日焼けシーンも確かにあります。)
「セブン」スペル星人篇といいノストラといい、過激な表現の受け取られ方は千差万別、製作意図の範疇を越えてしまう場合もままありますね。万人の目に触れる映像作品には必ず付きまとう難しい問題です。ただ昨今の去勢された表現には「配慮」というよりも「尻込み」という印象を強く感じます。
折り合いの付け方はそれぞれですが、表現とメッセージ性がうまくバランスを取った作品を期待したいものですね(笑)。
オタクイーン
2007/12/21 22:58
 オタクイーンさん、こんばんは!
 そちらでいろいろお話させていただいているうちに、無性にこの映画について書いてみたくなり、出来上がったのがこの記事です。
 映画の記事を書く時には必ず複数回観てから(劇場でかかっている作品は除きます)記事を書くようにしているのですが、さすがにこれはもう一度観ることがかなわず、おぼろげな記憶に頼った記述になってしまいました。
 レーザー・ディスクをお持ちのオタクイーンさんが検証してくださったので、記憶違いではなく、ほっとしております。
 三十年以上も前の映像を覚えているというのはある意味強烈な作品だったのでしょう。
 これだけの視覚インパクトを持っていたということはカルト・ムーヴィーとしては一流だったという証明になるかもしれませんね。
 あとはおっしゃるように「尻込み」する表現者や製作者がどれだけ自分たちの価値観を押し通せるかにつきますね。ではまた!
用心棒
2007/12/22 00:26
こんにちは。何時もコメントを残さない横着な読者ですみません。
 私のブログへのコメントのお返事が遅くなったのでコチラにコメントさせていただきますね。(最近殆ど自分のブログをチェックしていなかったもので…。)
 私のブログで使用している画像はネットで拾ってきたものや印刷物からスキャンして勝手に使っている物ばかりで、著作権云々の細かいところは良く分かりませんが、著作権を主張できる方から何らかの苦情があれば削除しないといけないものばかりなので、なんともお返事のしようが無い、というのが正直なところです。^^;
 というわけで、お互い自己責任でやりましょう。^^♪

*記事とは関連の無いコメントなので、読んだら削除してくださいね。
*あ、それから人違いだったら申し訳ないです。私のブログへのコメントのname欄が「用心棒」さんだったので、コチラしか心当たりが無かったものですから…。

用心棒さんのブログは、いつも読ませてもらってるんですが、初コメントがこんなのですみません。今後ともよろしくお願いします。
axis_009
2007/12/23 11:53
 axis_009さま、こんばんは!
 はじめましてというか、いつもお互いにTBだけになってしまっていまして、こちらもすいませんでした。
> お互い自己責任
 はい(笑!)やっぱりそうですね。べつに画像で商売しているわけではありませんし、自分の文章の理解を少しでも手助けするために入れているだけですしね。
 これからはコメントを入れさせていただきます。ではまた!
用心棒
2007/12/24 01:55
初めまして。「ノストラ」に関する資料を調べていたらこのブログにヒットしました。この作品のベストシーンはやはり「東京の蜃気楼」でしょう!単純な合成や色加工、富田音楽が融合した世紀末絵巻でしたね。私もTVで見た記憶があります。これは川北紘一助監督(当時)の「川北マジック」です。中野明慶監督の「爆破」と相対する特撮シーンが今でも忘れられません。
エヴァ1999号機
2008/07/09 23:26
 エヴァ1999号機さん、はじめまして。
いやあ、エヴァはアスカやシンジくんが乗っている一桁台の機種のものまでしか知りませんでした(笑)

 個人的に、嫌いで理解できない人を秘かに「使徒」と呼んでおります。

 この作品は結構説教臭い部分も多々あるのですが全編通して見ていくと、現在の世相に不気味なほど符合してくるのです。

 おっしゃるとおり、特撮パートはかなりがんばっていますね。この記事を書いたあとに、ノストラと『獣人雪男』を観る機会があり、あらためて確認しましたが、封印するにはもったいないという気持ちを持っています。
 ではまた!
用心棒
2008/07/10 23:42
ご意見には賛同いたします、が一部内容に間違いがあります。
ノストラダムスの大予言特技監督は中野 昭慶氏です。
川北紘特技監督デビューは坂井三郎氏原作の大空のサムライ1976年でこれ以降徐々に東宝映画特撮の中心は川北氏へと移行していきます。1973年日本沈没1974年ノストラダムスの大予言は映画館にて観ましたが、中野特撮は荒削りではありますが迫力はありましたね、ちなみに一部,円谷英二氏の世界大戦争での特撮場面が使われているのは有名な話です。
ほにょにょ
2011/10/08 16:12
 こんばんは。
>川北
彼は助監督でしたね。

これを見たのは30年位前でしたが、もう1回見たいと思ったときにはすでに封印されていました。

この記事を書いた後におそらくグリフィン・ルートから流れてきたであろうノストラのビデオ版を手に入れ、見ることが出来ましたので、今度きっちりと見てから再度、記事を書こうと思っています。

高速道路が炎上していくシーンは圧巻でしたね。

ではまた!
用心棒
2011/10/09 18:11

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『ノストラダムスの大予言』(1974)<パート1>映画界において、言論の自由は無に等しい。 良い映画を褒める会。/BIGLOBEウェブリブログ
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