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つい先日発表した空想世界長編『ガメラ対ゴジラ 地球破壊計画』のあとに更新する怪獣映画としての作品はどんなものを採りあげるべきか迷っていました。GXGとは全く違う作品群から仕切りなおすか、さらに濃い作品を採りあげていくか。結論はさらに濃いマニア向け作品を選ぶことにしました。 この作品『大怪獣 東京に現わる』の見所はなんといっても「特撮による怪獣同士の熾烈な戦い」ではない。なにしろ怪獣映画なのに、この作品には怪獣が登場しないのである。幻の『前田日明対アンドレ・ザ・ジャイアント』と同じく、映像が一切ない中で、対決シーンを描いてしまったのである。さすが松竹! アイデア一発なんです。一回もゴジラともガメラとも言わない。言ってしまった部分には「ピーーーー!」と音が入り、聞き取れないようにするといった手の込みようでした。わざとらし過ぎますが、こういうセンスは結構好きです。最初に東京に出てくる怪獣は「背鰭があり、放射能火炎をはき、トカゲのようななりをしている」と表現されているって、ゴジラやんけ! しかもこのタイトルからして、『原子怪獣 現る』を意識しているのは特撮及び怪獣映画ファンならば、すぐに解ります。 怪獣の出てこない怪獣映画というだけでもエポック・メイキングではありますが、それに加えてこの作品における主人公その他の人物設定がまたたまらなくシュールで良いのです。防衛軍でも、ゴジラでも、はたまたガメラでもなく、この映画の主人公は右往左往する一般避難民達、つまり「われわれ」が主人公なのです。 普段、東宝でも大映でも一般人はただただ彼らの脅威から逃げ惑い、ある者は大怪我をし、ある者は家を失っているのであろうと推察される。だって対決物は怪獣たちにはスポットを浴びせまくるが、その下敷きになって死んで行く者や、全財産を吹き飛ばされる人々にはあまりにも冷たく、厳しい。その現実に気付かせてくれる珍しい作品こそがこの『大怪獣 東京に現わる』だったのではないでしょうか? そのような一大事の際も、映されるのは一般人であって、けっしてゴジラでもガメラでもない。驚きながら、または恐怖の声をあげながら死んでゆく一般市民をクロース・アップで撮るが、怪獣たちには一切のカメラが当たらない。徹底されています。唯一怪獣たちの活躍が分かるのは怪獣が矢印で表され、進撃して行く方向に向けて動いていくこと、そしてテレビのニュース情報として、怪獣たちの破壊の様子が告げられていくことによってです。 もちろん悪乗りしまくりの部分も多くありますし、登場人物を多くし過ぎて、カットしたほうが映画が締まったであろうと思うシーンが多数あります。80分程度の作品に纏めていれば、さらに評価が高まったであろうと思うと、少々残念ではあります。 一般人の無力さと他人事なら楽しめるが、自分に降りかかって来るのは困ると言う自己中心的な発想の醜さと可笑しさはシュールな笑いを提供してくれます。東京に上陸した怪獣をテレビのワイドショーで見ている福井に住んでいる桃井かおりらのオバちゃんたちは全くの他人事としてしか怪獣騒ぎを捉えていない。 東京に大地震が来て、怪獣(ゴジラでしょう)がビクッと驚いた様子に大笑いする様は100パーセント他人事でした。それが徐々に自分たちの住む町に来そうだと分かると慌てて逃げ出す までのタイムラグは結構現実的でした。 「前年に近所のおじいちゃんが登るのに何日もかかった飛騨高山があるから福井には来ない!」という根拠のない自説を立てる福井のおじちゃん。それに反論するオバちゃん。それがおじいちゃんが高山を登るのに要した時間と体力から、ゴジラが高山に到達するまでの時間を割り出していく。「おじいちゃんの80倍の大きさと体力を持つゴジラならば、信州なんて、スキップして飛び越えられる!」という行には大笑いしました。 見ていてなるほどねえと唸りながら見ていたのは避難勧告地域と避難命令地域の違いでした。実際にGXGがいる都道府県には避難命令が、そしてその場所の周りの都道府県には避難勧告が出される。 またGXG歩き回ることによってズタズタに引き千切られ、壊滅してゆく送電線と電話回線というのは非常に現実的で、いかにも起こりそうなトラブルではないでしょうか。民放テレビがすべてGXG一色になり、臨時情報が入るまでは全く一般放送不能の状態になっているのもありそうなことだと思いました。 最初ゴジラだけだった怪獣が途中から二匹になるところも怪獣映画ファンならば笑いのツボを大いに押されるところでしょう。「カメです!カメ以外の何物でもない!二本足で立ってます!でもカメです!わあああああ!」って、誰がどう聞いてもガメラしか思い浮かびません。しかもその矢印は移動する時にくるくる回ります。回転飛行なんです! ガメラは福岡ドームから壊しにかかります。平成シリーズでギャオスを摑まえようとしましたので、多分そのオマージュでしょう。ゴジラが襲いに来る福井も平成ゴジラシリーズでは原発銀座として度々登場していました。このへんもツボが解っていますね。 琵琶湖を挟んで一騎打ちする二匹。記念すべき両者初のシングルマッチを迎えた栄えある地に選ばれたのは大津、及び滋賀県民でした。両者傷ついて、しかも在日米軍や韓国軍の支援を受けながら防衛する様子はなんだかありそうで恐いですね。 アイデアはこのように素晴らしいものが随所に見られるのですが、不必要な何組もの人間ドラマを無理やりに入れすぎてしまったために、怪獣映画、そしてコメディとしてのスピード感を失い、映像自身も纏まりが無くなり、散漫になってしまったのが気にかかる。 演出力が無いのははっきりしています。ストーリー展開さえしっかりしていれば、アイデアが素晴らしかったので、十分にマニア向け傑作になりえた素材だったのですが、上手く料理できなかったのが残念です。 破壊の限りを尽くしたGXGと間近に接した一般国民は「美しい!」「かっこいい!」とか言い出し、ついには精霊流しのような「怪獣流し」をして、GXGを神格化してしまいます。このへんの描写というか感覚は日本人らしい。ちなみに怪獣は満285歳でポリネシアで大往生してしまいます。死因は老衰だそうです。合掌! 総合評価 52点 大怪獣 東京に現わる
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猫姫じゃ 2007/06/24 14:20 |
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TBありがとうございました。 |
オタクイーン 2007/03/13 21:57 |
こんばんは。 |
用心棒 2007/03/14 00:16 |
こんにちは。再びお邪魔します。 |
ガメラ医師 2007/03/17 18:07 |
ガメラ医師さん、こんばんは。 |
用心棒 2007/03/17 21:54 |
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