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キャシャーンと言われて、三十代以上の人がまず思い出すのは当然、昭和40年代(1973〜1974)に放送されていた竜の子プロ制作の人気アニメである。幼稚園に通っている頃に放送されていた、この番組には思い出が多い。本題である映画『CASSHERN』の前にまずは原作アニメ『新造人間キャシャーン』について書いていこうと思います。 「たったひとつの命を捨てて、生まれ変わった不死身の身体。鉄の悪魔を叩いて砕く!キャシャーンがやらねば誰がやる?」の冒頭のナレーションは名言です。 ♪響け! キャシャーン! 叩け! キャシャーン! 砕け!キャシャーン!〜♪噂に聞こえた凄いヤツ〜!キック!アタック!電光パンチ!生まれ変わった不死身の身体!アンドロ軍団倒すまで燃える怒りをぶちかませ!フレンダー・ジェット!♪新造人間キャシャーン!キャシャーン!キャシャーン!♪ う〜〜ん!かっこいい主題歌だ。 キャシャーン、犬型ロボット・フレンダー、母親が身を隠した白鳥型ロボット・スワニー、そしてキャシャーンの彼女・上月ルナ 。対する敵役にはナチスドイツを意識したようなデザインで統一されたブライキング・ボス、サグレー、バラシン、アクボーンなど個性豊かな人造人間たちと彼らによって製造されたアンドロ軍団のロボット達を配置していました。 幹部アンドロイドの個性的なデザインと量産型のアンドロ軍団ロボットはロボット好きの子供たちの支持を受けました。そしてこの作品ではメカニックのみならず、そのテーマの先見性も注目されます。そのテーマとは環境破壊と公害でした。子供向けのアニメでもこのような深いテーマを仕込んでいたのです。 『ウルトラセヴン』での異星人とのコミュニケーションも鮮烈ではありましたが、この当時は子供向けだからなどといった馬鹿にする姿勢を制作者は持っていませんでした。良い物を見せたいという思いはしっかりと子供たちに伝わっていたのです。画はチャチかもしれません。使い回し映像もあります。しかしメッセージは理解できます。 三十代後半以上のファンにとってキャシャーンは重要なヒーローの一人でした。そんなキャシャーンを映画化する、しかも実写だと聞いたときには正直嫌な予感しかありませんでした。しかも監督はまったく実績のないキリヤ某。誰それ?と思っていました。 紀里谷和明監督は宇多田ヒカルの旦那だったんですね。ダンナという肩書きがもし彼になかったならば、果たしてこの企画が通ったかどうかはかなり疑わしい。プロモ製作では実績があるようだが、それはせいぜい10分程度に過ぎない。実際一番の見せ場はエンディングの嫁の歌『誰かの願いが叶うころ』というのも悲しい。 しかるに劇場公開映画ともなると最低でも90分近い長さが求められる。短編作家が無理矢理長編をモノにしようとすれば、全体を六つ程度に分割し、各15分完結の短編を各々作っていくなどの方法論を考え付く。起承転結を構成できる15分プロットの組み合わせならば十分に一本として繋ぐのも可能だったのではないか。 最新のCGをテンコ盛りに使用して、しかも全く中身がない。あれだけの労力を映画表現のの補助的視覚効果として使われるべきCGに投入するのであれば、まずは作品の骨子である脚本や演技をしっかりと固めるのが第一だったのは明白である。無駄なCGを惜しげもなくまき散らかされたところで、観る者はただただ迷惑なだけである。 たしかに綺麗な映像を随所に見ることは可能であるがこれは単なる映像ではない。性質が悪いのはこれは劇場用の映画だということである。つまらないゲームよりもさらに厄介で退屈なことに、この映画は馬鹿みたいに宣伝が行われていたため、何も知らない多くの一般観客がこの作品を見てしまい、改めて彼らが普段思っている迷信「邦画はつまらない」を確信に変えさせてしまったのです。 ゲームならば、つまらなければすぐにセーヴするか、リセットを押して止めてしまえばよい。しかしこれは映画なのです。映画館に1500円以上も払って入場している者は何とかして元を取りたいと思っているので、最後まで粘らねばならない。 つまり観客は140分以上もキリヤ氏の道楽に付き合わされるのです。これはたまったものではない。彼はわれわれ観客に何を伝えたいのか?リズムの悪さと編集の酷さは致命的な失敗でした。編集という言葉をキリヤ氏は知らないようです。 80分程度にまとめれば、まだ見れる要素はあったと思うのですが、いくらなんでも作者が伝えたいものが特にないフィルムの塊を140分見続けなければならないのは拷問に近い。140分も見せるのはベテラン監督でも難しいのに、基本すらしっかり習得していない者が制作するのは不可能である。思想のこもっていない、作者のメッセージが希薄な映像の塊を「作品」とは呼び難い。 長編という大きな山を分割せずに、そのまま大きな山として登ろうとした彼は見事に三合目つまり40分で力尽きた。シーンで言うとキャシャーンがアンドロ軍団を率いるブライキング・ボスと初顔合わせを果たすシーンであるが、ここだけは昔のアニメのイメージが蘇ってきた。 というか当時の竜の子プロ制作のアニメで使われていた「決め」の戦闘シーンのイメージをそのままCGに置き換えただけでした。絵コンテをCGに直しただけで作品として出してくる無作法と工夫の無さには驚きます。 しかも見所はこの10分にも満たない戦闘シーンのみであり、その後はグダグダで鑑賞に耐える場面は異常に細かい都市映像のみである。物語と感情をほとんどセリフで語ってしまう体たらくにはガッカリします。とりわけ唐沢ボスとの最後の対決、いやさ会話には脱力しました。 また俳優・伊勢谷友介のアップを撮るためだけに最後までキャシャーン・ヘルメットを被らない演出の拙さには呆れ果て、言葉を失った。彼には長編を制作できる能力はない。スタッフの一人として、使われるのであれば有能なスタッフにはなれるであろうが、頭は止めた方が賢明だろう。 収穫は麻生久美子があいかわらず美しいのと怪演する寺尾聰であろう。アクボーン役の宮迫博之ははまり役だったかもしれない。時間の流れが澱んでしまっているヒーロー映画など必要ない。スピード感が求められるキャシャーンという素晴らしい素材を得ながら、こうまで勢いを失っていったのは何故なのだろう。 出来栄えをチェックするチャンスはいくらでもあったであろうし、修正することも出来たであろうにラッシュ映像をそのままリリースしたような内容には呆れてしまいました。嫁が止めるべきだったかも。彼女の評判まで落としそうな夫の監督業第一作目でした。第二作目はあるのだろうか。竜の子プロつながりで「ガッチャマン」とか「ヤッターマン」だったら嫌ですね。 総合評価 45点 CASSHERN
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映画評「CASSHERN」
☆☆(4点/10点満点中) 2004年日本映画 監督・紀里谷和明 ネタバレあり ...続きを見る |
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館] 2007/02/04 23:55 |
「CASSHERN」
「キャシャーンがやらねば、誰がやる・・・」って、、ゆうじゃなーーーい。 (波田 陽区ふうに) キューティー・ハニーに続き、テレビアニメの実写版。 ちょい、懐かしい気持ちあり。 リアルタイムでテレビ見てたというと年代がバレます。 もともと明るいタイプのHEROモノではなかったのですよ。 宇多田夫妻の・・・がなければ・・です。 ひらりん的には映像(CG)の迫力はなかなかでした。 たしか監督、ナントカ・クリエーターという肩書きでしょ。 しかし、場面・場面の切り替えがおかしいような・・・。 なんか難しく... ...続きを見る |
ひらりん的映画ブログ 2007/02/06 15:18 |
誰かの願いが叶うころ
誰かの願いが叶うころ ...続きを見る |
宇多田ヒカルだ 2007/03/26 21:24 |
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
>いくらなんでも作者が伝えたいものが特にない |
fabius 2007/01/31 00:02 |
fabiusさん、こんばんは。 |
用心棒 2007/01/31 00:16 |
TB致しました。 |
オカピー 2007/02/05 00:02 |
あの機械仕掛けの馬鹿でかいロボットは個人的には好きなデザインでした。 |
用心棒 2007/02/05 00:48 |
>「ローラーボール」 |
オカピー 2007/02/05 18:26 |
アメコミ程度の内容に過ぎませんが、最近のハリウッドはアメコミが好きなので、また類似品が出てくるでしょうね。ウンザリします。 |
用心棒 2007/02/05 22:08 |
はじめまして。偶然通りかかりましたので一言。 |
エビ吉 2007/02/23 16:47 |
エビ吉さん、はじめまして。コメントをありがとうございます。 |
用心棒 2007/02/24 00:52 |
砕け!キャシャーン!〜♪(短い間奏)噂に聞こえた凄いヤツ〜! |
エビ吉 2007/02/24 09:56 |
エビ吉さん、こんばんは。 |
用心棒 2007/02/25 00:06 |
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