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zoom RSS 『カプリコン 1』(1977)アポロ月面ロケットも本当は、あっちまで行ってないというのは事実か?

<<   作成日時 : 2006/03/17 23:14   >>

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 ピーター・ハイアムズ監督による、1977年公開作品です。最初に見たのは中学生時代、ゴールデン洋画劇場でした。当時は「うわ〜〜〜。さすが洋画はひねっていて面白いなあ」と、単純に喜んでいました。二度目は大学生時分、深夜にレンタルで見ました。そして今回、最近になって再度、見る機会がありました。

 政府やら権威やらを全く信じなくなってしまった今となっては、ごく普通の作品にしかすぎません。ところが最近になって、アポロ月面ロケットは実際には月面着陸していないという噂がまことしやかに語られてきたために、この映画を思い出し再度見たというのが真相です。ですが、本当のところはいったいどっちなんでしょうか。

 久しぶりに見ていても「多分、円谷プロや東宝特撮や『スター・ウォーズ』もこうやってんだろうなあ」などという、作者の意図とは違う感慨にふけってしまいました。もっと童心に返り、まっさらな気持ちで映画に向き合わなければと思いつつ、「展開が読めるような、くだらないのを作るんじゃねえ」という自分のほうが内面で大きく占めています。

 この程度のひねりでは、刺激を全く感じなくなってしまっていました。まずいですね。この精神的不感症はかなりやばいですね。映画を観た事がない子供だったら、『デビルマン』ですら楽しめるのでしょうか。訊いてみたいですね。

 しかしこれはあくまでも、今見たときの感想です。ただこれが公開されたのは1977年だったのです。その頃は、ニクソンによるウォーターゲート事件があったにせよ、まだ権威は失墜しておらず、政府や軍隊の持つさまざまな壁と規制は、国中を覆っていました。

 マスメディアの数も量も少なく、携帯電話もインターネットも勿論全く無い時代でした。隠す方が難しい今という時代と、情報統制がまかり通る時代。情報を得るのは今の方が楽ですが、どれが正しいそれなのかという判断力が必要になるのも、最近の偽メール問題を見ても明らかでしょう。

 確かに今でも、あらゆる分野に「黒」や「灰色」の部分があるのは百も承知です。ですが、昔の無名な人たちには自分の意志を全国に広めるのはかなり困難でした。だが今ではインター・ネットというツールが出現し、深く考えずにいろいろな情報や誤解に基づいた勘違いを毎日送信しています。今の方が、ましなんだと思います。

 国家的陰謀とは何か。国家の体面を保つためならば、何でも許されるのか。人権蹂躙などお構いなしの冷たい現実。民主主義とはただの甘いオブラートに過ぎない、というアメリカ第一主義が顔を出す。国があっての個人にすぎない、当たり前の論理に基づいた行動を取る体制側にとっては、個人など関係ない。

 見ていくと結構恐ろしいテーマを描いた作品であり、衝撃度も大きい作品であった事に、あらためて気付かされました。これはただのB級サスペンス作品ではない。この頃には、この手の国家陰謀を扱った作品も多く、『チャイナシンドローム』、『大統領の陰謀』なども記憶に残っています。

 作り手たちに問題意識があり、観る人も問題意識を持っていた証拠かもしれません。社会派映画という、もったいぶった切り口でなく、娯楽の中にそういったスパイスを入れていくのが、監督の力量であり、見るものが探し当てるべきサブ・テキストなのかもしれませんね。
 総合評価 72点
カプリコン・1
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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
 こんばんは。
 アポロ11号の噂はここ数年に急激に語られるようになりましたが、今この作品を思い出しますと、その当時からそうした噂があったのではないかと想像されますね。
 「マーシャル・ロー」などを観ましても脚本家の中にはかなりの勉強家がいますので、そうした噂をふくらませたのかな、しかし当時は殆どの人間は実際のアポロ11号までは敷衍して考えたなかったのかな、などと思ったりします。

 さて、僕も用心棒さんを真似てトップページに「サイコ」のモノクロ画像を貼り付けました。如何ですか?
オカピー
2006/03/20 17:51
 オカピーさん、こんばんは。アポロの噂っていつから始まったんでしょうね。
 この映画が公開された、1977年前後っていうとアポロ乗組員にまつわる話といえば、UFOがらみのものが多く、「嘘っぱち説」については話に出ていた記憶がありません。
 人類の夢だ、アメリカの誇りだとか、大変な宣伝をしていたアポロ計画が、もし嘘っぱちだったとしたらという物語の構成と設定は大胆で、SFとしては興味深いものでした。
 PS.さっき見に行きました。『サイコ』の家ですね。LAのユニバーサル・スタジオには、あの家があるんですよ。今でも在るかは解らないんですけど、ちゃんと二階の窓際には、座っている人がいるんで、思わず唸りました。ではまた。
用心棒
2006/03/21 00:43
真面目に検証するなら「捏造するほうが、実際に月着陸するよりよほど難しい」

・この手の話を言い出しは、単なる初歩的な事実や科学への無知
 真空なのに旗がはためいている−−真空でも格好良く広がる骨組み入りの端を持っていった
 暗闇なのに星が見えない−−空の青色を出す大気が無いだけで昼間です
 アポロのデータやサンプルは秘密主義--膨大な量が大体的に公開されている。思い込みで調べていないだけ。
 宇宙に出た宇宙船の追跡は不可能だからごまかし放題−−全くの逆。光学観測、電波通信の傍受などでこまめに追跡されている。しかも、アマチュアや活動協力国、第三国、ソ連などの敵大国などにも。
 他にも基本的な科学、事実関係で山ほど間違いが。

・対立していたソ連などの科学者や諜報などをどうやって誤魔化した?検証のための観測データやサンプル、地球上での活動への監視など、山ほどありますが、
 直接的な話、ソ連がアメリカの着陸地点の隣に着陸していたらどうしたの?
ファビウス
2006/12/20 23:10
 アポロ捏造陰謀の妄想に対してはこういうジョークもあります
・(映画に無知な人間が安易に「キューブリックが捏造映像を作った」というのに対して)「完璧主義者のキューブリックが、なかなか捏造映像を完成させないから、仕方なく実際に月着陸したんだ」
・(人間は着陸していなくて無人機がやったというのに対して)「無人機のみで終わったソ連より圧倒的たくさんのサンプルを、人の手で集めて持ち帰ったアメリカ。それが無人機でやったというのなら、凄すぎるロボット技術ですね」


 ぶっちゃけ、対立していて事ある後とにアメリカの粗探しをしていて、捏造があれば即あばけるだけの能力があるソ連が、アメリカの月面有人探査に何も異を唱えていないことが、決定的な証明でして。
ファビウス
2006/12/20 23:10
 おお!ファビウスさんは科学にかなりお詳しいんですね。
>完璧主義者のキューブリックが、なかなか捏造映像を完成させないから、仕方なく実際に月着陸したんだ
 こういったジョークが巷で語られるくらいですから、誰も本気にはしていないでしょう?
 そもそも気難しいキューブリック監督がわざわざそんな面倒くさいことするわけありません。当時、この『カプリコン1』はSFサスペンスの切り口としては素晴らしい発想だったと思います。
用心棒
2006/12/21 02:35
こんばんは

テリー・サヴァラスが緊張感あるストーリーに笑いを誘ってますね

ラストシーンは何度見ても目頭か熱くなる…

ジェリー・ゴールドスミスの音楽はgood

音楽サイトでDLしてます



余談ですが、20年程前に中古でビデオソフトを見つけ購入しましたが、値段が980円と思っていたら1980円でした

しかし店の好意?で半額に…

まあ18禁のお店に商品があっても売れませんね
偶然見つけましたが、いまでも時々見ています

パーソナルベスト
2016/08/05 23:29
こんにちは!

>中古
ビデオからDVDに切り替わる時に珍しい作品を大量にゲットできましたよ。

カプリコン1をはじめてみた時は衝撃的でしたし、刺激的な作品でした。

ではまた!
用心棒
2016/08/06 09:55

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